よくいただく質問です📝
「香りをムエットにお出ししたり、それをお渡しする適切なタイミングが分かりません。」
とても初歩的で、とても些細なことですよね💁♀️
(ムエットを渡すタイミングについては過去の記事【美しいbasic🩰✨〜指先へ宿す優雅な所作〜】でも触れていますのでご参照くださいませ)
しかしそんな初歩的で些細な事であるにも関わらず、「誰に聞けば良いかも分からない🌀」、「そもそも答えがあることなのかも分からない😔」と訊ねる機会が無いまま何年も解決せず従事している方が多い業界です。
香水の基礎知識においては書籍やサイトなど知る術はありますが、香水接客の“いろは”を知る術は希薄であり、従事しても取り扱う企業やブランド・現場マネジメント側がその必要性を感じておらず、「接客方法は個人個人の感性に任せている」そんな方針であることがほとんどです。
“接客をする”その為の基礎が無くて本当に良いのでしょうか?本当に必要のないことなのでしょうか?🤔
私の元に届く生の声を聞くだけでも「必要無い」ことは無いはずです・・・💭
香水接客のトレーニングのあり方
香水接客に従事する者が必要な基礎とは、決して資料や書籍など紙面上で得られる香水知識や製品知識だけではありません。
知識を頭に入れていたとしても、実践的に接客に生かせなければいけませんよね。
“香水接客に必要なマナーや基礎的な流れ・知識”は誰からも教授されないまま店頭に立ち、そのまま数年経過しているケースがほとんどなのです。
トレーナーの立場の者ですら現場経験がなく、香水接客のマナーや基礎を「必要な知識」と認識されず会社やブランドの中で重要視されていないことも大きな要因と考えられます。
香水接客にもベーシックがあり、それを元にスキルを磨いて精進する。それができればさらに深く堀り下げていく。
基礎という土台がなければその上に何を積み上げようとも脆く崩れてしまうのは、どのような分野においても同じことが言えますよね💁♀️
本来、基礎の上に積み重ねた経験や深く掘り下げた知識、広げて行った知見を持ち合わせた者が、その先に“スペシャリスト”と名乗ることができたり、“トレーナー”になる存在であるはずです。
基礎が無いままの接客とは💭
さて、この”香水接客に必要なマナーや基礎的な流れ・知識”が無いまま、もしくはその存在を知ることが無いまま従事しているとどのような特徴の接客になるでしょうか🤔💭
典型的な例では・・・
①一方的な“説明型接客”
②お客様からの言葉やアクションを待つだけの“どうですか?接客”
最もあってはいけない事例として参考までに・・・実際に体験した接客です。
「新作の香りを試したいです」と訊ねただけにも関わらず、「在庫をお調べいたします💦」と足早にバックヤードへ離席されたこともありました。同様に香りを試したい旨を伝えた時に置いてあったムエットとテスターを指して「どうぞ」とだけ言われたことも😅「これに香りをつけて試してください」とまで😓もはやこれは香水の接客以前の問題ですね😅
①“説明型接客”とは・・・
ずらりとテスターが並ぶ店頭の環境の中で、足を運ばれたお客様に何もヒアリングせずにとりあえず目の前にあるテスターを手に取りムエットへ香りを乗せ、「〇〇と○○の香りです」と伝えすぐに会話を切り上げようとする。
お客様が何を求めて香りを試しているかを知ろうともせず、スタッフ側が一方的に適当に香りを手に取りただその香りに何が使われているかをただ説明し、それを香水接客だと思い込んでいるケース。
②“どうですか?接客”とは・・・
お客様の要望や言葉にただ同調することを、「お客様軸の接客」と見誤るケース。
その実体は「お客様軸」ではなく「お客様依存」で、早く決めて欲しい、自分で選んで欲しい、こちらに意見やアドバイスを求めないで欲しいという心理から、体良くこの接客に逃げる手法です。
お客様と香りのお話ができない・何から話せば良いか分からない、とりあえず気まずさを紛らわす為に「いかがですか?どうですか?」とお客様からの言葉が出るのをひたすら待ち、それにただ同調するだけの応対。ラグジュアリーブランドに多く見られます。
ーーーーーーーーーーーーー
基礎がないまま年数が経過した接客とは・・・
◆お客様が香り選びをすることへの興味や関心が無い、またはそのように見える応対
◆製品の魅力をスタッフ自身も感じておらず、それを伝えたい心を持っていない
製品を《数字》でしか認識できず、お客様に良さをお届けする意欲を持てず「売れるか売れないか」、「買うか買わないか」それだけに囚われたまま接客につきます。
基礎を知るということは、まず携わる者が製品やブランド、創り手の想いに触れ、その素晴らしさを「伝えたい✨️」と心から湧き上がること。そして、それを言葉や所作でお客様へ伝えるために知識が必要になります😌
私的な感情だけでなく、接客する者として正しく伝えることができ、+αのアドバイスができなければいけません。
基礎の中で大切なこととはマインドを知り、アウトプット(体現)できるようになり、さりげなくアドバイスができるようになることです😊✨️
“押し付け”と“手を差し伸べる”接客
もしあなたがファンデーションを購入したいと考えているとします🧐💭
今、愛用している物も悪くない。肌に合わないわけでもない。
だけど、せっかく数多あるブランドで「今よりも自分に合うものがあるかも知れない」、「もっと理想のものに出会えるかも知れない」、「新作で良いものが出ているかも知れないし色々知りたい!」そんな想いを心に秘めて百貨店コスメカウンターに足を運んだとします。
“色々見てみたい”、“色々知りたい”。
そんな想いを持っているあなたが初めて訪れたカウンターで唐突に「どの色にしますか?」と購入を前提に勝手に話を進められたらどのような気分になるでしょう・・・
目の前にずらりと並ぶテスター。初めて見るファンデーションでもパウダー、クリーム、リキッド、クッション・・・
色がどれが合うかなんて見ただけで分からないし、種類によっても何がどのような特徴かも分からない。何を基準に選べば良いか分からない。そもそも他のブランドの製品も見てみたい。
販売側の手法としては「どれにしますか?」→「この中から選んでいただく」心理にするのかも知れません。
しかし、あなたの本来の目的は購入することだけでしょうか🤔
そんな時に「お使い付けのものはございますか?☺️」、「種類も様々にご用意しておりますので、ぜひご紹介させてください☺️」など、こちらが意思表示ができる余白ある言葉を投げかけられたら・・・。
特に初対面やお客様との第一声目の声がけ、コンタクトを取る言葉や表情、間の取り方、所作はデリケートなもの。
まずはお客様に安心感を与えるお声がけがとても大切です🌸
第一声目から購入を前提としたお声がけの「押し付け」と、悩み迷っていることを前提に「お手伝いさせてください」と手を差し伸べるようなお声がけは全く別物ですよね。
フレグランスカウンターや店舗に足を運ばれるお客様も同じように重ねてみましょう😌
香水テスターの前にいらっしゃるからといって香水を購入するだけでしょうか?💭
そのお客様は香水に日常的に触れていらっしゃる方なのでしょうか?💭
「初めての香水選びに何から選べば良いか分からない・・・」
「香水は日常的に使っているけど、出かける時に服に適当に何プッシュかつけてるだけ。それが良いのかどうかも分からないけど・・・」
そんなお客様の心の声に傾聴することができて親身に香りのお話ができれば、きっとその方はまた必ず香水について知りたい・教えて欲しいと思ってくださるはずです😊✨
端的ですが香水接客の基礎にあるマインドセットの有無は、お客様応対の姿勢に顕著に表れます😊
心構え(マインドセット)
お客様がカウンターや店舗に足を運ばれる「背景」を意識したことはありますか?すべてのお客様が必ずしも同じ理由や同じ気持ちで足を運んだわけではありません。
まずお客様には十人十色の来店理由があることを心得ておきましょう😊
・香ってみたい、香りを確認をする為(興味)
・今すぐではなくとも自分用もしくはギフトにお考え(購入前提に検討中)
・購入を検討ではあるがいつも同じような香りを選んでしまう(要アドバイス)
・購入したい製品が決まっている
そして、何よりも香水=香りという目に見えないものを選ぶ際の重要な心得があります🌹
香りの選び方は「好き/嫌い」だけではないということです📝
この「奥が深い香り選びのポイント」については次回以降またお伝えさせてください✨
コメント